【イフリーテの秘宝】
オアシスの村では、椰子の葉や幹を乾燥させて、簡易で風通りの良い家を作る事が多い。 その中で、唯一ふんだんに石を使用した家がある。 それが、長老の家だ。 どうやらだいぶ昔、何代目か前の長老が、村の外れにある遺跡の石を大胆に失敬して作ったらしいが…
⭐️昨日、すぎやまこういちさんがご逝去されました。ドラクエのコンサート、先生の指揮で聴きたかった! 私達に出来ることは、いつまでも忘れない事。 これからも、ドラクエ10 を楽しみ、先生の素晴らしい音楽と共に。 ・・・そして、空へ、伝説へ。 ⭐️ご冥福…
隊商のオアシス滞在期間は毎回短い。 本当の次の目的地である大きな街に行くのは、早ければ早い方が良いからだ。 休息を取り、食料を補充し、水を確保する。 村人にとっても、旅人にとっても、慌ただしい数日が過ぎ去り、別れの時は訪れた。 今朝から、イン…
「サマリ、腕を上げたな。今日はここまでにしようか」 ナージフはスッと武器をさげ、サマリに声をかけた。 張り詰めていた空気は一瞬で解けて、替わりに野次馬達の労を労う歓声が沸き起こった。 「ナージル!私、強くなった?」 サマリは無邪気にナージフの…
サマリはこの時点で、ナージフと違って全く息が上がっていない。 その細い身体の何処にそんな体力があるのか。 クルクルと地面を跳ね、ナージフの刃を交わす。 しかもサマリはこちらから攻撃を仕掛けようとはしなかった。 防戦一方。 彼女は、遊んでいるのだ…
暑く厳しい砂漠の旅の途中に訪れたオアシスの村で、傭兵達も緊張が少し緩んでいた。 一緒に野次馬をしていた傭兵仲間が、肩を寄せるように彼に近づいて、声を低めて話しかけてきた。 「イブン、お前も良く見ておけ?実際に魔物に襲われた時でさえ、隊長はあ…
村の外れの砂地。 普段は何も無いその場所に、十数人もの村人達が、輪を描く様に集まっていた。 男達は皆輪の中央を向いて、興奮した様子で声援を送り、女達は事ある毎に悲鳴と嬌声をあげた。 みんなの視線の先には、サマリとナージフの姿。 今しも二人は、…
隊商のオアシス滞在期間、サマリは毎日のようにナージフから武器の扱い方を習うようになる。 最初は子供のお遊びだった。 サマリは相手をして貰える事がただ嬉しくて、素直に言う事をきき、鍛錬し、期待に応えた。 砂漠の砂が水を吸うように、ナージフの伝え…
こんにちは、ソルジーです 今日は小説の前に宣伝‼️ 9月18日(土)今週末に、ポカさん主催の 「プクリポコレクション」inアズラン に、ドレアドレ のメンバーとして、グルドレで出演します。 お時間ある方、観にきてね ソルジーモデルデビューは、なんとプクリ…
砂漠を越えるのは、この時代並大抵の事では無かった。 昼には太陽という名の敵、夜には魔物という名の敵。 移動する時間は、太陽の傾いた夕方と、早朝空が白み始めた頃の時間に限られていた。 勿論、体力のある者が単独行動をするなら日中でも移動できただろ…
太陽が沈み始めたオアシスの村の広場。 そこでは、昨夜到着した隊商が、思い思いに店を広げていた。 村人はお祭り騒ぎで店の品物を物色している。その喧騒の中、軽やかな空気を身に纏い、小柄な少女が高い塀の上から飛び降りてきた。 白い肌、薄い金の髪。 …
それは、神や精霊や悪魔が、まだ人と近かった時代。 加護も呪詛も、大きく人々の生活に影響し、人生を翻弄した、そんな時代。 海と河によって発達した文明は、人々に神殿を建てさせ、街を造らせた。 魔物から身を守るように街は外壁に囲まれ、冒険者はその壁…