こんにちは、ソルジーです🌹
これは深い意味はないサービスショットです。
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昨日、Twitterでこんな事がありました。
クレシダさんのカミカミは、最近結構楽しみになってます。
久しぶりに、ハル君が登場し、私もつい、会話に参加。
カンちゃんが、私に無茶振りを!!?
でもこういうのって、できれば、「出来ません」って言いたくないじゃないですか?
だからお風呂の中で考えたんですけど、やっぱり、ムリ〜!!!
全然内容なんて、思いつかないから、こんな劇中劇みたいなのどうですか?(笑)
設定もありがちですが・・。
ドラクエX スピンオフ
ハリウッド映画
「飯能の謎・ムーミンとゴーヤ」
『disqualification』(不合格)
チッと無意識に舌打ちをして、男は簡素にそう書かれた一枚の紙切れを、クシャッと右手で握りつぶし床に叩きつけた。丸められ、紙屑となった白い不合格通知は、彼の足元からコロコロと転がって、今入って来たばかりのドアの前で止まった。
男の名はクレシダ。
ハリウッドに掃いて捨てるほどいる俳優志願の男の一人だ。
実績としては、あまり視聴率の上がらなかったテレビドラマシリーズに2度程。
なんとかエンドロールに名前が載った。
その後はここでチャンスを掴むため、ハリウッドにやって来た。
この世界では、テレビドラマのチョイ役など取るに足らない。映画俳優として認められて初めて一人前だ。
クレシダはのしかかっていた煤けた色の壁から背を離すと、数歩歩いて小さな部屋の窓を勢いよく開けた。
この見晴らしの良い位置にアパートメントを借りて住むようになってから8年が過ぎていた。
ハリウッドを戴くこの街で、下積み時代から付き人や掃除人やスーパーのバイトなど、あらゆる事をしながら夢を叶える為に努力してきた。
そろそろ若手とは言えない歳になり、彼は焦っていた。
バタンッと窓は大きく音を立ててきしめく。
忌々しげな表情で窓の外を睨みつけるその姿は絵に描いたような華やかでは派手な顔立ち。しかし、顔にかかる長い前髪から覗く顔は疲れて、眉間には皺が寄っていた。
少し目線を上げて窓の外を眺めると、あの有名な緑の山とハリウッドの看板が遠くに小さく、けれどはっきりと見えた。
(この距離が、俺とアイツの距離なのか)
クレシダの脳裏には、大勢に囲まれて笑顔で応えるハリウッドのスター、すいかの姿が映し出された。
あの新進気鋭のカンカン監督が、ハリウッドで大型映画の撮影に入った事は周知の事実だった。
既にシナリオが半分出来上がり、セットが組まれ、一部の撮影が始まっていた。
しかし、まだ主役「ハル」の役が決まっていない。
ヒーローであり、ヒールである難しいこの役どころを演じられるお眼鏡に叶った俳優が見つからず、カンカン監督は連日のようにオーディションを開いていた。
その一方で、ニッポンのスポンサーは独自に動き、自国でも知名度が高く人気のあるすいかにオファーをかけているともっぱらの噂だった。
「アイツにあの難しい役が務まるかよ!俺なら、この俺なら、どんな役でもこなしてみせる。端役だったけど、七変化だと定評のあったドラマにも出たこの実績をなんとしてもアピールしなければ!」
クレシダは、先週受けた映画の端役用の薄いシナリオを手に取り、ト書きを眺めながらぶつぶつと呟いた。
(しかしだな、ムーミンとゴーヤはともかく、飯能って何だよ?)
今回の不合格は、やはり内容への理解不足から来るものだったのだろうか。
カンカン監督の映画は、二転三転するスピード感溢れる展開と大掛かりなセットに定評があった。
(俺もあの監督の映画に出たい)
今のクレシダ程度の俳優では、とても主役級のオーディションを受けるチャンスが無かった。
ここは自由の国。誰でもチャンスのある世界。そうではなかったのか?
スポンサーと収益の波に呑まれ、夢のスソさえ掴めずに、底辺から抜け出せない若者が多くいる現実があった。
(そう、どんな手を使っても、だ)
季節は10月に入り、だいぶ涼しくなってきたというのに、山を睨みつけるクレシダの瞳の奥は暗い光がともり、額からは一筋の汗が滴り落ちてきた。
「何としてでも『ハル』役を・・・」
思い詰めた様子のクレシダは、何か決心した様にきびすを返すと、側にあった上着を無造作に手に取り、そのままドアへ向かって歩き出した。
クシャッ・・
床に転がったままの不合格通知が無情に踏み潰され、ドアの外へ姿を消した焦る男の背中を見送った。
続き・・ませんって!!