ソルジーのティア冒険奇譚

ドラクエ10 で遊ぶエル子のブログ

78.秘宝の在り処


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サマリが神殿の上に位置する自分の家へ戻ると、既にリヤハとイフリーテ、ソルが待ち受けていた。

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「リヤハ様・・・」

リヤハに対しては、正直まだわだかまりがある。この風の精霊の気まぐれで、自分はこんな苦労をする羽目になった。命の種から芽が出たとかなんとか、そんな事はサマリは知らなかった。ものごころついた時にはそこにあり、自然に口にしていたものだ。それはサマリの罪になるのだろうか?

自然の理に反するとリヤハは言うが、聞けば命の種は人ひとりを生き返らせる程の力があるのだとか。それこそ、種を扱うリヤハの方が自然に反していないのか?神がいるなら、その真意は測りかねる。

結局サマリは、リヤハの指示通りに動く事が出来なかった。風の神殿へ入り、満月の夜に浮かび上がる文字を書き写してきたものの、解読を間違ったままイフリーテと会ってしまった。

今ここにイフリーテがいるのは、友だというソルの存在に他ならなかった。自分の必死さをイフリーテが愛でてくれた、相手の厚意一つでこの先もどうなるかわからない不安定なものだ。

リヤハは組んだ腕を解くこともせずに、サマリを見下ろし、面白そうに笑った。その笑い方も色々含んだようで、サマリは居心地が悪く、腕にはまった父の形見の金の腕輪をさすった。

『サマリ、イフリーテをよく説得出来たな。今からこの神殿が元通りになるのが楽しみだ』

リヤハはちらりと隣のイフリーテを見たが、彼女はそんなリヤハの視線をフィッと切り捨てる。リヤハは慣れたものだと意にも介さない様子だ。

イフリーテは、しなやかな手を自分の目の前に伸ばした。人差し指を少し上に反らせると、ソルがスゥっとそこに止まった。

イフリーテが手を引いてソルに頬ずりすると、ソルもそれに応える。

『友とその娘の為に。そしてその前に、秘宝をこの手にしなければならぬな』

いよいよイフリーテの秘宝を目にする事になるのか、それはどんなものだろう。サマリは自分の心臓の鼓動が聞こえてくる気がした。

そんなサマリの視線を知ってか知らずか、赤い衣服のような炎を翻し、イフリーテはサマリの目の前に降り立った。妖艶な眼差しは、サマリには暖かいものに見えた。

『その腕輪を、わたくしに貸しては貰えぬか?』

サマリは先程から無意識にさすっていた金の腕輪の事を言われているのに気がつき、両手首を目の前に広げてまじまじと腕輪を見つめた。

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「これ、ですか?」

イフリーテはそっと長いまつ毛を伏せて、同意する。

『その金の腕輪こそ『イフリーテの秘宝』と呼ばれる物。故あって人の手にわたり、今はそなたの腕にある』

秘宝と言うからには何か立派な宝石かなにかだろうと思っていた。イフリーテの居城の何処かにあるのだろうと勝手な思い込みをしていた。彼女の言う事が本当なら、そんな貴重なものを毎日身につけて歩いていたことになる。サマリは手が震えた。なんとか両方の腕輪を外し、イフリーテへ渡す。

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「イフリーテ様、これは私の父の形見では?」

イフリーテはにっこり笑って腕輪を受け取ると、それを自分の手に嵌め、懐かしい物を見るように眺めた。

『そう。それはそなたの父の家に代々伝わるものとなっていたな』

サマリはその後の詳しい話を聞きたいと強く願ったがそれを口に出す前にイフリーテは再び空中へと舞い上がってしまった。

「あ、イフリーテ・・さ・・ま」

イフリーテは神殿の上から全体をぐるりと見渡した。

『ピピ!サマリちゃん!お空みえる?始まったわ!始まったわ!ピピピピ!!』

ソルが囀り、サマリは太陽の方向を眺めたが、まだ眩しすぎてよくわからない。

日蝕が始まったのだ。

『さて、そろそろ始めたいところなのだが、サマリ、あそこの者を連れておいで』

慌ててサマリが振り向くと、サーリーがこちらに歩いてくる姿を見つけた。崖を登るのに苦戦したらしくバテ気味の様子だ。

「サーリー?みんなと行ったはずでは?」

トンネルの出口に手をかけて、サーリーは息を切らしていたが、駆け寄ってくるサマリを見るとにっこりと笑った。

「ごめん、ここまで来ちゃったよ」

サマリは驚きが勝って、サーリーを怒れずにいる。気持ちが嬉しかったのだ。この人は、興味本気でこんなところまで来る人じゃない。自分のことが心配で来てくれた。マッカの街から、とうとうこんな所まで。

「手伝うって約束しただろ」

「うん、うん、でも危険かもしれないのに。ううん、ありがとう」

なんだか、言ってることが支離滅裂で、自分でも可笑しい。

サマリはそっとサーリーの手を取り、イフリーテに言われた通りに元の場所まで歩いて戻った。

サーリーの視界には、サマリとソルしか見えていない。けれども、そこ以外から自分を見つめる視線と、今から何かが起こる緊張した空気を感じることは出来ていた。

こうしている間に蝕は進み、空はだんだん薄暗くなってきていた。

                                  続く


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