22.隠れ家


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いつもいきなり始まる【イフリーテの秘宝】ですが、一応ランキング登録後初なのでご挨拶。

一番上の題名に、全角数字のナンバリングがあった日は、小説です。

ドラクエと関係ないじゃん?とすっ飛ばす目安にしてくれても構いませんw

この小説は、私が所属するドレアルームドレアドレの定例会で、ドレアを披露する際のパフォを考えたのがきっかけで始まりました。

登場人物の中で主人公は私のキャラ。魅力ある脇役は私のフレさん数名にお願いして、ティア内で撮影会を楽しんでいます。

バージョン5に登場するファラザード等のアラビア系の雰囲気はとても素敵だと思います。

もし、気に入ってくれたら、イベレポが無い日も読んでくれると嬉しいです。

 

↓1話から12話迄のまとめはこちら↓

https://solz29dq10.hatenablog.com/entry/2021/10/24/075000

 

では、22話のはじまりはじまり〜。

 

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遺跡の入り口は正確には倒壊していて、サマリは倒れた柱をくぐったり、乗り越えたりしながら慣れた調子で奥へ進んでいく。

 

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神殿自体はそんなに大きいわけではないので、すぐに突き当たってしまうが、その奥の壁に穴が空いていて、サマリはそこを潜る。
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普通に考えると位置的には岩壁か土しかなさそうだが、神殿の外壁と岩壁の間にヒトが1人通れるほどの隙間があり、サマリはそこをよじ登っていく。

 

鍛えた大人でさえ躊躇するような急斜面。何処に足を運べば良いのか、目印でもなければとても登れそうに無いが、サマリは軽々と神殿の屋根へ向かって登っていく。

 

屋根の高さまで登ると、小さな横穴が2つ。

小さい方は四つん這いにならないといけないほどの狭さで、奥の方はよくわからない。

もう一つの大きい方はサマリがギリギリ立って歩けるほどの高さもあり、その奥まで辿り着くと視界は開け、サマリの住む天幕が見えて来た。

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岩壁に囲まれたサマリの家は、空から鳥のように覗かない限り、その存在を窺い知る事は出来ない。

屋根は神殿の一部が丁度突き出ているものを勝手に利用しているし、普段は隣に作った天幕で寝ているので、快適だ。

 

雨は時折降る。数年に一度くらい異常気象の年は、豪雨が来る事もあるが、その時はその時だ。

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少し高い位置にあるのに、岩壁からは湧水が出ており、顔を洗ったり、貯めて少し飲水にするくらいなら困らない。

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ここはサマリとソルだけの世界だった。

長老も、ナージフも、この場所を知らない。

 

その安息の地にようやく到着し、もう今日は寝てしまおうとひと息つこうとした時だった。

 

「だ、誰!?」

サマリは持ち前の感の良さで、自分の家の異変に気がついた。

腰の後ろにそっと手を伸ばし、愛用の短剣の束を握りしめる。

神経を張り巡らせて全方位を探るが、何も見えない。しかし、なにかの気配がするのだ。

 

『ほほぅ、なかなか鋭いな。』

男性の低い声のような気がする。

殺気はないのに、サマリはとても怖かった。

サマリはピリピリとした精神状態の中、いるはずのないソルの姿を探し求めた。     

いつもならソルがそばにいるのに。ソルがいれば、例えソルが何も出来ないただの鳥でも、サマリは何も怖くなかったのに。

けれど、ソルは今朝から出かけていて、いつも数日帰ってこないのだ。

 

(自分だけ姿を見せないなんて、気持ち悪い)

サマリの気持ちに呼応して、足元で今朝と同じように空気が動いた。

すると、それに気付いた声の主は言葉を続けた。

『おや、この私を起こしたのはお前だったのか。ふふふ、面白い。言っておくが、私を攻撃しようとしても無駄だぞ?なにしろ私は、その風の精霊なのだからな』

 

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そして、サマリの目の前の空気が揺らめいたかと思うと、悠然と座る男性の姿が現れた。

『お前が風の精霊を操るのなら、お前は私の手中にあるという事だ』

「・・・?!」

サマリは驚きのあまり声も出ない。

 

『まず、これはどういう事なのか説明して貰いたいのだよ』

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「どういうって?」

リヤハはゆっくりと立ち上がると、天幕の側に生えている草を差し示した。

『これは何処で手に入れた?』

「それは、ソルが持ってきてくれた種が芽を出したものよ。私のご飯だから大事に育てているの」

サマリは、警戒しつつも正直に答えた。

嘘をつく事は元々苦手だし、とにかくこの相手に駆け引きは通じなそうだ。

 

          続く

 

🌹風の精霊リヤハは、私のサブのシュクヤです。

本当は誰かに頼みたかったのだけれど、ノミの心臓の為断念し、自前でございます。

 


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